今回は、食品衛生や食品安全の世界で良く耳にする『Codex(コーデックス)』とは
そもそも何なのかについて記します。
コーデックスと言う言葉は、
正式には「コーデックス・アリメンタリウス(Codex Alimentarius)」(食品規格)
と言うラテン語から来ています。
平たくいえば・・・・、 食品安全の民間認証制度であるFSSC22000、ISO22000、
JFS規格などのベースとなるものであり、また国際社会で共有される食品規格として、
世界的に認められています。
1962年に国連の専門機関であるFAO(食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)合同で、
国際的な食品規格を作成することが決定され、食品規格委員会(CAC)がスタートしました。
翌1963年に第1回総会がイタリアのローマで開催されました。
このCAC委員会の目的は、
①食品の規格を決める。
②有害な物質の限度量を決める。
③衛生的に取り扱う方法を決める。
と言うことからスタートし、これがコーデックス規格の始まりです。
これにより「世界の消費者の健康を保護する」「公正な食品貿易の実施を促進する」ようになりました。
コーデックス規格では、具体的に・・・
①食品規格作成
②食品衛生の規範の作成
③ガイドラインの作成 を行っています。
WTO(世界貿易機関)の協定下での判断基準となり、日本国内の法規にも大いに影響しています。
CAC(食品規格委員会)の組織は、事務局と執行委員会の下にある多数の部会で、詳細を協議しています。
日本が承認している国の数は196ヶ国ですが、その大半の188ヶ国(+EU)が参加しています。
(大きな国も、小さな国も)各国1票の投票権を持っています。(1票しか無いとも言えます)
規格作成までには、ステップ1~ステップ8まであり、
①総会で作成開始
②規格案作成
③各国がコメント提出
④修正作業(部会会議で必要な場合)
⑤総会で承認
⑥各国コメント提出
⑦部会会議で必要時修正
⑧総会で正式に採択。規格ガ完成。
世界中の意見を一致させ、決定されています。
もともと、食品への考え方は、世界中で異なります。暑い地域では、未加熱食品は危険。
寒い地域では、何でも加熱すれば良いとは考えていません。また、宗教上の理由で、
食べることができない食品もあります。
また各国毎に地域独特な歴史的・伝統的な食文化などがあります。ある食品を一定の規格
とすると異なる国の事情も絡むため、喧々諤々(けんけんがくがく)とした論争になることもあります。
ただ意見を統一して、1つの見解を得るものにして、現在のコーデックス規格ができています。
今後も世界的に通用する食品規格として進歩していくものと思われます。